V推しなんしょ

京V同(@ku_vtuberlove)のメンバーがおすすめVtuberを紹介していくブログ

おすすめV紹介 第176回:キヌ

音系バーチャル蚕、キヌ

今回紹介するVtuberは音と言葉が大好きな、バーチャル蚕のキヌさんです。

京V同での紹介は珍しい(?)クリエイター枠です。

「羽」が「羽」になっているキヌさん(*1)

まずは何も言わないので以下の動画を見てみてください。アーカイブが8時間という膨大な長さになっているが、時間指定してあるのでサムネをそのまま押すとkinuさんのパフォーマンスが始まるようになっています。公演は5分もないくらいです。出来ればヘッドフォンを付けて観劇していただきたいです。

youtu.be

 

いかがだったでしょうか。初めてkinuさんのパフォーマンスを見た方は衝撃的だったのではないでしょうか。筆者も初めてkinuさんのパフォーマンスを見た時(恐らく生放送での視聴だったと思う)衝撃でしばらく呆然としたのを覚えています。
これからたっぷりkinuさんとパフォーマンスの魅力について語っていきますが、一言先に添えておくとすると上の動画のパフォーマンスは一切の後付け編集をしておらずリアルタイムに起こっている事象です。

 

kinuさんは音と言葉が大好きな音系バーチャル蚕で、野生に暮らしています。オルタナ系やベースミュージックに影響を受けてポエトリーリーディングをVRLiveやMVとして披露しています。
詳しくは以下の自己紹介動画をご覧ください。

youtu.be

 

野生の蚕について

自己紹介でさらっと野生の蚕と出てきましたが、何かに気づいた方はいますでしょうか。実は現実世界に野生の蚕は存在しないのです。家畜として長年人に飼われてきたために蚕は別名「家蚕(かさん)」とよばれ足の爪と羽が退化しているので野生で生きていくことができないのです。更に現実に蚕は存在しないはずなのにkinuさんのTwitterにはIRL(In Real Life:現実世界)と記載してあります。
これは一体どういうことなのでしょうか。

これはバーチャル蚕の肩書が間違っているわけでも、実は野生に蚕がいるわけでもなくkinuさんが自分は野生の蚕と言ったから「野生の蚕がいること」になっているわけです。詭弁だと思われるかもしれませんが、virtualの原義的にはバーチャルとは「仮想(存在しない)」ではなく「実質(全く同じでなくとも実質的に同じとみなせる)」なので実際には野生に蚕はいなくとも実質的に野生に存在すると見なせると言えるわけです。この思想を頭の片隅に置いてキヌさんの楽曲を聴くとまた違った聞こえ方に感じるはずです。

 

全人類バーチャルYoutuberのいのちを聴け!

kinuさんの代表曲に

【VTuber】バーチャルYouTuberのいのち / キヌ【オリジナル曲】 - YouTube

という曲があります。冒頭のライブにも登場する曲です。実在しないはずの蚕が例え周りに誰もいなくなったとしても命を叫び続けるという力強い曲です。例え実際には存在しなくともたくさんの人に観測され、時に人に感動を与えることができる存在。それがVirtual Youtuberの本質なのではないでしょうか。Vtuberが好きな人、Vtuberをやっている人全員に聞いてほしい曲です。

 

キヌさんとバーチャルライブについて

キヌさんはたくさんの楽曲提供やVRライブをこなしています。VRライブについては映像アーカイブさえ残ることは少なく、配信やVRライブに参加できた人だけが享受できる体験になっているのでぜひとも(出来ればVRゴーグルをかぶって)キヌさんのライブに「参加」してほしいです。一応いくつかの映像は残っているので紹介します。ライブの雰囲気とキヌさんのすさまじさの1割くらいは伝わるかなと思います。

こちらはOculus Questで見てきたのですが、あまりのすさまじさに終演後ただ呆然とするしかなくしばらく立ちすくしていました。言葉が、音楽が、音が、演出が文字通り360度から襲い掛かってきます。ただ、物が飛んできて恐怖するというよりは驚きつつも電子的な情報には存在しないはずの温かみや熱意を感じました。自分の立ち位置に演出が現出するようなインタラクティブな要素もありました。人がたくさんいるインスタンスでは終演後静寂とすすり泣きのみが聞こえていたそうです。

 

お次はVRChatで行われたmemeと蚕と森というイベントです。

youtu.be

 

冒頭の語りがVRプラットフォーム仕様になっています。こちらは残念ながら現地で見られなかったのですが、配信で見てもものすごい臨場感でした。


他にもたくさんの曲やVRライブを披露しているキヌさんですが、全部は書ききれないのであとは感性と興味に従って色々探してみてください。時間が無い方は「渦」なんかおすすめです。

 

キヌさんがどんな心持で創作をしているかはKAI-YOUの記事で紹介されています(全文読むには有料ですが、お試し期間を利用して読んじゃいましょう)(別にKAI-YOUの回しものじゃないですw)。

 

キヌさんを、推せ。

写真が台頭して、画家が自身の絵を見直すことで印象派が生まれました。ボーカロイドの台頭で、人の表現の幅が広がったり、人には歌えない歌ができたりしました。そして今コンピュータグラフィックスとモーションキャプチャの発達とゲームエンジン民主化により、飛び交う「文字」と「音」が織りなすライブを身体性を伴って間近で観測でき、仮想空間であったとしても心揺さぶられる体験をすることができます。新しい「技術」は必ず新しい「表現」を生み出します。もしかしたらこれが未来の「当たり前」になっているかもしれません。高い技術力と表現力でそんな未来の萌芽を表現し続けているキヌさんを今から追っておいて損はないと思います。

漸く見れた冒頭動画のライブの再再演で撮れたキヌさんとのツーショットを公開したところで筆をおこうと思います。

 

泣きそうになりながら撮ったツーショット。VR空間内でなら同一次元、同一空間で推しとインタラクティブできるのがよい

 

参考

[Twitterリンク]

twitter.com

 

[Youtube]

www.youtube.com

 

*1 

キヌ オルタナサウンドとVRChatワールドの融合で見せる独自の音楽空間 | muevo voice

 

(文責:lain(外大に行こうと思ってたのに気づいたらVtuberのせいで情報系にいて、さらに気づいたらVRの研究室に院進までしてしまった人))